口唇裂のあるお子さんを生んだ親御さんが心配することのひとつとして
「多感な時期に自分の顔(口唇裂)をどう思うか」
があるのではないでしょうか。
少なくとも私はそうでしたし、私の周りのママさんたちも同じでした。
むしろ私はそれしか心配してなかった。
口唇口蓋裂の息子シリーズの続きです
息子が生まれて一番初めに今の大学病院に連れて行った時のことは痛烈に覚えています。
生後3週間頃のことでした。
14年前のスマホはおろかSNSもほとんどない時代、私はその初診までの日、ひたすらパソコンに向かい、口蓋裂について調べていました。
出てくるのは親御さんからの情報ばかり。
それはもちろん非常に有意義な情報でしたが、どうしても知りたかったこと。
この子はいつか自分の口のことでひどく悩むんじゃないか。
人目を気にして引きこもってしまうんじゃないか。
子どもを寝かせた真っ暗な部屋で、デスクトップのパソコンにかじりついて検索をしていた頃を思い出し、そして見つからなかった「思春期の口唇口蓋裂の子」の今を知りたい方のために
7回目の手術を迎えるまでの間の息子のことを書いていきたいと思います。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
口唇口蓋裂外来 初診で言われた言葉
この初診の時は息子が生後3週間ということは私だって産後3週間だったわけで
けど、帰れるわけないそれが大学病院というもの。
手術の予定や今後の治療方針など、産んだ日に聞いたがなしかもネットで調べたわなという話を再度聞いての検査検査検査。
もちろん白目でした。←
が、診察時に言われた、一つだけ痛烈に覚えているセリフがあります。
「口唇口蓋裂の子はこの先、少し他の子と違うところはあるけど、普通の社会で普通の子として暮らしていきます。
その時に、もし言葉に少し気になる点があれば「どうしてかな?」と思って、他人は口の傷に気づきます。
その目線が気になるかもしれない。つらくなるかもしれない。
だから手術は機能的にも審美的にも最善の方法を尽くすし、言語訓練も、できるところまでしっかりとやっていきます。
この子は普通の生活を普通に送って行く子なんです。」
この頃は息子はまだ口も鼻もワイルドで、直母もできないし、その将来というのは想像ができなかった。
その上でのこの話。
普通の子として生きていくためにこの子は治療をしていくんだな、と。
多分先生は、大丈夫ですよという安心させる意味で話してくれたんでしょうが、私は
と思いましたその時はね。
ただまあすごく覚悟は決まったというか。
この先私はとことん言語訓練に力を入れるようになるのですが、それもこの時のお話のおかげです。
ちなみに息子は今言葉の面では全く問題ありません。
もちろんここに至るまではまあ大変でしたけども。
元気な赤ちゃんのためにたっぷりの栄養を【ALOBABY葉酸サプリ】
諸説ありますが、妊娠中葉酸を取ったほうがいいという説が多かったので
二人目の時はお世話になりました☆
中学校に入り 口唇口蓋裂の通院を秘密にする
ここにも書いたんですが☞「完全両側性唇顎口蓋裂(両側性口唇口蓋裂)の息子④ 小学校以降の治療」
私は息子にとにかく口蓋裂のことで悩ませないように、それだけを考えてだまくらかして育ててきました。
息子の性格もあり、おおむねうまくは行っているほうだと思いますが、それでも思春期になるとそう物事は簡単ではない。
敵も多少かしこなってきます。
まずうちから口蓋裂の病院まではけっこう距離があり、中1のいつまでやったかな
月に1~2回の通院、それはそれは頑張って車で連れて行ってたんですよ。
もちろん入院中はほぼ毎日。
空いてて1時間弱、混んでたら2時間弱、運転が嫌いな私からしたら本当に頑張ってたと思います(自画自賛)。
ちなみに生物学上の親はも一人いるんだけど、最初の3年くらいしか病院連れてってくれず(たまたま専門外来の曜日が休みだった)
入院の時もろくに来やせず、親に協力してもらってました。
4歳くらいからほぼペーパーなのに必死で運転して連れて行くようになり、生物学上はほぼ病院に来なくなり
6回目の手術の時か久々に病院まで運転して道間違えやがったって何の話?
話それましたけど、そんなこんなを経て、中一の途中から一人で電車乗って病院行くようなったんですよ。
手術のある外科は無理なんですけど、矯正は息子一人でいいってなって。
また話それたとにかくこの通院付き添いがなくなっただけで、フルタイムの私の負担は本当に減りました。
でも息子は毎月行くわけですよねしかも学校休んだり早退したりして。
遠いのでどうしてもそうなります。
で、いつだったかなあ、聞いたんですよね
まあこの時はふーーんと思って。
男子だし周りも興味ないだろうし、そもそも小学校からの友達なんかは知ってるだろうしって。
私はいつまでも
息子は口蓋裂のことなんかさほど気にしてないし意識してない
そう思ってました。
でもね、やっぱりそうじゃない。
だって思春期だもの!!
めんどくささがさく裂したのは、厨二の7回目の手術の時でした。
中高生の理想の成長をサポート【プラステンアップ】
なかなか身長の伸びない成長期のお子様に☆
13歳中学2年生男子 口蓋裂の手術を隠したい
はじめはこの7回目の手術は舌弁を使うと思ってたので→「完全両側性唇顎口蓋裂(両側性口唇口蓋裂)の息子⑦ 移植した骨が消えた」
けっこう入院も長くなるし、友達にちゃんと説明しとかないと、みたいな話をしたのはいつだったか忘れたけど(おい)
その時に息子が言ったこと。
「みんなに入院って言いたくないねんなあ」。
その時は割とまだ手術の実感もなかったし、息子のキャラと私のキャラが相まって、しかも多分私適当に話聞いてたから(おい)
言うたんですよね。
そしたら
言われていいわけねえ、その場は終わったんですよ。
そしたらその後も続く
アメリカはウソっぽいし行ったら太るらしいし(こんなことだけ知ってんなおい)
入院したら痩せてしまうから(痩せませんでした)
違う国にしたいねんけど
みたいなことを何度も言われてですね、さすがに後半は私も「堂々と入院しなさい」って答えてたのね自分で留学言うたくせに。
で、時は流れて入院前の三者懇談で、当時の担任はものすごくいい先生だったんだけど、入院の時みんなになんて説明しようか?て聞いてくれて息子の答え。
( ー`дー´)キリッ←マジこんな顔
は!?
それは無理だろ秒でバレるだろ家に友達来るやろそしたら陽気な妹が「息子は入院でーす」言うだろって先生と二人で説得。
私からしたら息子ですけど先生は厨二の息子をよく知ってるわけで、力づくで方向転換させる母とは違い、丁寧に説明してくれてました。
そこではいったん本人も納得したんですよ。
細かく説明せずにちょっと入院って言えばいいかって。
だいたい退院後体育も部活もできなくなるからバレるしね。
でも手術の前日か前々日やったかな。
私の携帯に中学から電話がありました。
口唇口蓋裂中二男子がどれくらい自分の顔を気にしているか
私その電話の時、忘れもしない大腸内視鏡検査で下剤と戦ってたのよ。
今大丈夫ですか?の電話受けたん病院のトイレの個室。
下剤が祭り開催してる中担任が言ったセリフ
「今日もう一回入院の日の朝にクラスのみんなに話するねって息子君に言ったら
やっぱり嫌やから家庭の事情にしてって言われたんです。
でも期間も長いし、ちゃんと話した方がいいんじゃない?って言って
家でお母さんと相談してみてって伝えました」
あのクソ坊主よ!!!
わかってます担任は超かわいい若いお嬢さん
年頃なのでいきってんでしょ
もう勝手に入院て言うてくれって言うたけど、それはやっぱりよくないし、今日19時ごろまで学校いるので話し合ったら電話くださいって
めっちゃいい先生!!
でもすぐ息子に電話かけたら出ず!!
そして私大腸検査で麻酔効きすぎて、死ぬ思いで家帰ってそのままバタンで朝まで!!
19時過ぎに家に電話かけてきた先生に息子はこう言った
このクソ坊主!!
それを朝に知り(入院月曜日やったから土曜日)、ひとしきり息子をど説教した後、それで何て言ったのよって聞いたら
やておいクソ坊主!!
たいした反抗期もない友達もたくさんいる息子ですら、やっぱり思春期はめんどくさいです(現在進行形)
親子喧嘩の勢いで
「俺が今までこの鼻でどんだけいやな思いしてきたと思ってんねん!!」
叫ばれたこともあります。
一緒に外出していたら顔を気にしているそぶりもあるし、実際気にしなくていいと言い切れるほどの傷跡ではありません。
本当はそりゃ気にせず育ってほしいけど、自分の思春期振り返っても穴ほりたいくらい自意識過剰だったし
顔のことは気にするな!というのはちがうと思う。
私にできるのは、気にしてんなと思うけどそれに触れないことと、もしそれでSOSを出して来たら受け止めること。
口唇口蓋裂の子どもの顔の傷は、厨二より親の方が気にしている自信があります。
でもおくびにも出さない、それが親の務めだとも思う。
これからもっとややこしい時期が来るかもしれないけど、どんと対応していきたいと思っています。
ぴーえす
ちなみに入院日に先生から話を聞いたクラスメイトですが
一切LINE等で触れてきませんでした。
\(^o^)/
これは先生が「息子は気にしているからそっとしておいて」と言ってくれたからで、それを言ってくれた先生にも守ってくれた友達にも私は感謝しているのですが
つぶやいてた厨二マジめんどくせ!!
以上、口唇口蓋裂の息子の思春期のお話でした☆